子育てが上手い人は社員教育も上手い【例外なし】
「社員が思うように育たないんですけど、どうしたら良いですか?」
多くの相談を受けているうちにある結論にたどり着きました。
「子育てと社員教育は似ている」
私自身、社員教育と子育て(子育ては最中)の両方を行なってきました。
その中で行き着いた結論が、子育て≒スタッフ教育ということです。
記事を読んでいただくと、2つが共通していることに理解いただけるはずです。
この記事でわかる思考法
- 経験や失敗を相手から奪わない
- 相手の世界を理解して歩み寄る
- 自分の課題と向き合い再認識する
この記事のオススメ読者
- 部下の教育が上手く進まず悩んでいる
- 子育てが上手くいかず困っている
それでは1つずつ解説します。
子育てが上手い人は社員教育も上手い【経験や失敗を相手から奪わない】
スタッフの教育が上手くいかないと感じるときはどんなときでしょう。
- 同じミスをする
- 効率が悪い
- やる気がない
いろいろありますが、主にこの辺りでしょうか。
やはり子育てにも共通することですね。
しかし大人である社員も細かな点を除けば、子供と共通点が多いのです。
両者ともにミスをしながら覚えていくことがあります。
ミスを奪うというのはどういうことでしょう。
子どもや社員から経験やミスを奪ってはいけない
社員も子供も経験から学びます。
それは成功体験から学ぶこともありますが、多くは失敗から学びます。
誰でも失敗を続けたいなんて思うはずがありません。
それを我慢できない上司や親は前もって口を出してしまう。
「こうしたほうがいい」
この一言でミスをする機会が奪われます。
同時に成長のために必要な経験すら奪われてしまうのです。
中には個人の感情で教育しようとする上司や親もいます。
- 何度も言ってるのになんでわからないんだ
- もっとこうすれば効率がいいのに
- なぜ、こんなにやる気がないんだ
これらは雇用されている時も、している側になっても感じました。
「失敗したら、また文句を言われるのかな」
こんな気持ちでは、社員は振り切った行動が取れなくなります。
子供なら親の顔色を見るようになります。
社員も子供も経験とミスを繰り返して成長します。
成功体験もミスも必要ですが、行動しないとどちらも経験できません。
上司や親は自分でやったほうが早いことがたくさんあります。
しかし面倒だと思う気持ちから、これらを奪わないでください。
それが教育の最短ルートで、社員も子供も成果をあげるようになります。
成長において、成功やミスの経験は非常に重要なプロセスです。
子育てが上手い人は社員教育も上手い【相手の世界を理解して歩み寄る】
上司もかつては部下であり、親は子供でした。
しかし上司や親となったことで、新たなステージで生きています。
部下や子どもに歩み寄るという言葉がありますが、意外に難しいものです。
なかなか簡単にはできず、苦労する上司や親が多いのです。
とはいえ、この歩み寄りが非常に重要です。
社員にも子供にもそれぞれの世界があることを理解する
かつて私が海外出張の最中にこんなことがありました。
- スタッフが急に欠勤して店が回らない
- 予定していた商品が届かない
- 入荷した商品をどこに並べるかわからない
日本からわざわざ私に電話をかけて相談しています。
そんな時こそ社員にとって経験のチャンスです。
- どうやってお店を回すのか。
- 届かない商品にどう対処するのか。
- 入荷した商品はどこに並べると売れそうなのか。
はっきり言って、上司から見るとくだらない相談です。
しかし部下である社員にとっては、そここそが学んでいる世界なのです。
業界が違う方にはピンとこないかもしれません。
しかし意味はお分りいただけるはずです。
こちらから見ると、レベルの低いことで悩んでいるように見える話です。
歩み寄るというのは相手の心にという場合もあります。
しかし、ここで大切なのは個人的な悩みではないわけです。
相手の存在する世界に歩み寄るということです。
ここは大切なので、社員を教育する立場の方は意識してください。
上に立っている世界からでも、部下の世界を見ることはできます。
しかしそれでは良い教育ができないのです。
すでに上の世界にいるノウハウや思考を持って部下の世界に降りて歩み寄る。
だからこそ的確であり、部下の気持ちを汲んだ教育ができるのです。
大切なことなのでもう一度、言います。
社員や子供に歩み寄るというのは、心にだけ歩み寄るではありません。
彼らが学んでいる世界に歩み寄って理解してください。
自分の目線からでは社員や子供の気持ちを理解することはできないのです。
子育てが上手い人は社員教育も上手い【自分の課題と向き合い再認識する】
最後は物理的な教育法ではなく、教育する側の上司や親について補足的に解説します。
とかく、部下である社員や子供に対してあれこれ言う人がいます。
もちろんこれは彼らにとって、経験の邪魔であることは解説しました。
それとは別で、日常的にうるさいほど口を出す上司や親がいます。
このような人は残念ですが、社員教育も子育ても下手です。
目的が教育とは別のところにある
上司や親になったとしても、今度はそのステージで自分の課題があります。
要は本人も経験し、ミスをしながらクリアすべき課題があるわけです。
悪く言ってしまえば、その本人の課題から目をそらしている上司や親がいます。
その上で部下や子供のアラを探してつついたり、口を出してしまうのです。
本人はそのステージは経験済みなので口を出すのは簡単です。
そんな簡単なこともできないのかとマウントを取るのは簡単なのです。
それでは社員はついてこないし、子育てもうまくできないでしょう。
親とはなんなのか。
それは威張ることでもなく、マウントを取ることでもありません。
厳しい表現ですが、部下や子供はあなたのために存在しているのではありません。
上司や親の本来の役割は育てて導くことです。
それもあなたのためではなく、社員や子ども本人のためにです。
上司や親も課題を持っています。
社員や子供の課題とは切り離してしっかりと向き合ってください。
同時に社員や子供の教育を行うのです。
それを同時に行う器がないのであれば人の上に立つことはできないのです。
自分の課題に目を向けて、本来の役割を忘れないようにしましょう。
子育てが上手い人は社員教育も上手い【まとめ】
今回のテーマは少し重い内容になっています。
しかし、とても大切なことです。
経営と子育ての両方を経験して、様々なことを学びました。
行き着いた結論は、社員教育と子育ては共通しているということでした。
そこで実験的にはなりますが、共通したテーマをひとつの記事にしました。
社員の教育や子育ては他人の人生を左右する
ちょっと重い表現ですが、教育は受けた側の人生を左右します。
私が親でなかったらもっと楽しかったかもしれない。
そこまで意識もせず、気軽に社員を教育してる上司が多すぎます。
「社員が育たない」
そんな相談を数多く聞いているうちに、ひとつの結論に行き着きました。
簡単に人は動かないし、人は物ではない。
最後に、経営コンサルのパイオニアである船井幸雄氏の言葉です。
〝無能な部下などいない。いるのは部下を育てられない無能な上司だけだ〟
これは子育て中の親にも言えることです。
部下を持つ方や子育て中の方は、ぜひ考えていただきたいことです。